ロンドンレポートvol.5 モリスの思想に触れる ウィリアム・モリス・ギャラリー

ロンドンレポートvol.5 モリスの思想に触れる ウィリアム・モリス・ギャラリー

こんにちは。川井公式オンラインショップです。

イギリス在住の大学生ひなさんのコラム第5弾!

イギリスのデパート 「ウィリアム・モリス・ギャラリー」を紹介します。

 

今回は念願のウィリアム・モリス・ギャラリーに行ってきました。

ロンドンの北東にあるロイドパークの中に位置しています。

ロンドン中心部からは地下鉄ヴィクトリアラインの終点Walthamstow Central Stationまで30分弱で行くことができます。

建物自体は1740年代に建てられた典型的なジョージアンスタイルの家で、実際にモリスが14歳から22歳まで住んでいた家でもあります。

中に入るとショップ兼ホールが広がっており、平日にも関わらず多くの人で賑わっていました。

どこから見ようか悩んでいると、スタッフの方がウィリアム・モリスについて軽く説明してくれ、ギャラリーの見方や企画展の説明もしてくださいました。

たまたま企画展「Art Without Hero ‘Mingei’」(2024年9月22日まで)が日本の民芸についての展示を行っていました。

民芸から見出されるクラフトマンシップや手作業での職人技がアーツ・アンド・クラフツ運動と繋がり、今回の企画展に繋がったそうです。

日本とイギリスの繋がりを感じてなんだか嬉しくなりました。

常設展であるウィリアム・モリスの展示は、モリスの主な功績を最初に紹介し、その後モリスの歩んだ軌跡を順に辿るという構成でした。

最初の部屋ではモリスの人柄や反省を彼の彫刻や絵と共に紹介しています。

 

 

二つ目の部屋に足を踏み入れると、大学時代にモリスが影響を受けた本や建物が紹介されており、とても興味深い内容が展示されていました。

フランス建築から受けた影響や、教会の建築に魅了されたモリスについて深掘りされています。

その後、モリスがデザインしたレッドハウスの図面やモリスが最初にデザインした壁紙の下書きなど、貴重な展示物がありました。

 

三つ目の部屋ではMorris & Co.を設立した後の話にフォーカスされています。

モリスの仕事がジャンルごとに分けられており、公共事業や教会関連、他にも海外展開の経緯などが当時の作品と共に見ることができます。

 

四つ目の部屋のテーマはワークショップとなっており、モリスが使っていた布地の染め方やデザインの方法を実践的に見学、体験することができます。

この部屋があるだけでモリス・ギャラリーに来る価値が充分にあるように感じました。

モリスが実際に使っていたプリント用の木版や染め途中の布などを見ることができ、いくつかの作品は実際に触ることもできました。

イギリス中を探してもここまでの体験ができる場所は他にはありません。

 

他にも、かつてロンドンの中心にあったモリスのショップの展示やモリスの社会活動家や詩人としての側面を紹介した部屋がありました。

彼の辿ってきた軌跡や功績だけでなく、彼自身の考えに触れられるギャラリーでした。

モリスの功績や作品を展示している美術館は他にもいくつかありますが、モリスの考えや半生にここまで触れられるのはこの場所だけではないかと思います。

もし訪れる機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。

彼の作品や展示品を通して、モリスの人間らしさや偉大さを体験できると思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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